扇子工房まつ井について

扇子工房まつ井の扇子とは

作業風景

コンピュータで制御された工場で、製造ロボットが淡々と仕事をこなす。寸分違わぬものが大量にできあがっていく……。そんなスピード感あふれる光景をテレビでみたことのある人も多いと思います。機械は日々進歩し、どんどん新しい設備が投入されていきます。それはある意味、たいへんわくわくすることかもしれません。

でも、私たち職人のいる場所は、それとはまったく逆。使う道具は百年前からかわらない。やっていることも、昔とほとんど同じ。長い時間をかけて磨いてきた腕と微妙な勘所によって、ひとつひとつ納得しながら、愛着を持って使い続けてもらえる道具をつくっています。

「扇子工房まつ井」では、先代から受け継いだ伝統の技で、手作りならではの味わいや風合いが感じられる扇子を作っています。和扇子は四季を問わず携帯していただける便利な道具です。最近、そのよさがまた見直され、粋な持ち物として多くの方にご愛用いただいております。さらに、これからのニーズにも応えられるよう、新しい時代を担う美術大学の学生さんたちとのコラボレーションにも挑戦しています。個性的で楽しくて、これも好評をいただいています。

扇子が持っているのは小さなスペースですが、そこには和の文化を表現する大きな世界が広がっていると思っています。


松井宏(まついひろし)プロフィール

松井宏

ロゴ

1947年、東京都江戸川区生まれ。1963年より本格的に扇子づくりをはじめ、のちに父・恒治郎の後継者として家業を継ぎ、現在に至る。なお、長男・知也がその技を受け継ごうと修行中である。

1989年、2001年に伝統工芸展教育委会賞受賞。2004年より江戸川区指定無形文化財(工芸技術・扇子)保持者。2009年、江戸川区文化功績賞受賞。東京都伝統工芸技術保存連合会江戸川地区会員。

2014年、東京マイスターとして表彰。


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Photo by 吉川賢一

Text by 七田祐子

Produced by WAZAMON